デメリットもあることを忘れずに
デメリットもある
「家賃が安い」「住民は同じ会社の人ばかり」などメリットばかりに目がいってしまいますが、社宅にもデメリットはあります。それは「住みたい場所や間取りを自分で選べない」こと。自分で住む家を自由に選ぶことができず制限されることに不満を感じている人も少なくありません。他にも同じ会社の人が住民で安心できる反面、オンとオフの区別がつきにくいので会社の人間関係をプライベートに引きずってしまうことも…。人間関係が煩わしくなるのを避けるために社宅があっても高い家賃を払って一般の賃貸物件を借りている人もいます。
望み通りのところに住めるとは限らない
社宅があれば転勤の際に物件を探す手間が省けます。でも、望む物件に必ずしも住めるとは限りません。築年数が古い社宅や会社から離れたところにある社宅もあります。社有社宅の場合は会社が社宅を管理しているので、維持費を節約するために外観や内装は修理せずそのまま…という場合もあります。
注意したいのは外観や内装だけじゃありません。生活環境も考慮しておきたいところです。会社までの距離が近くて通勤に時間がかからない場所に社宅があっても、近くにスーパーやコンビニ、病院や学校、銀行や郵便局がないと生活するのは不便です。普段、会社にいる時間が多い旦那さんは気にならないかもしれませんが、自宅で過ごす時間が長い奥さんや子どもからすればただ不満に思うだけですよね。でも、一度入居してしまったらどんなに不便を感じても違うところに引っ越す方が大変です。相当な労力がかかってしまうので、不便を我慢しながら生活している人もたくさんいます。
できれば入居する前に社宅の外観や内装、間取り、周囲の環境を確認しておきたいところですね。
プライバシーがない
社宅に住んでいるのが同じ会社の人だと、仕事が終わっても会社の人に会う可能性があります。仕事モードを解除したくても、会社の人間がそばにいたらスイッチをオフに切り替えづらくなります。仕事の話をしているだけならまだいいですが、時には社内の人間の悪口や不満をいわれることもあるんです…。
会社のデメリットは?
財務上のメリットも大きい社宅ですが、社有社宅の場合は維持・管理、固定資産税、老朽化に伴う修繕費用などの経費はかかるし、稼働が低い社宅は資産価値が目減りしてしまうこともあります。
時代の移り変わりとともに住居のスタイルも少しずつ変化しているので、メリットだけではなくデメリットも考えながら、従業員のライフサイクルやトレンドを意識した社宅制度に変えていく必要があります。